人魔の有り様(よう)
指摘を受けたロイドとすれば、己の発言の軽率さを悔いることとなった。
立ち尽くすロイドの眼前には、アリスの顔。
ガインは目端に映るが、アリスから顔を背けてガインの反応を見たら、アリスの指摘を認めた様なものだ。
だからこそロイドは、アリスへの反論を優先せねばならない、と考えた。
「ガインは……」
ロイドが、その苛烈さに憧れ、背中を追い続けた相手。
「ガインは……」
ロイドが、その苛烈さに幻滅し、先程まで戦おうとしていた相手。
「ガインは……」
魔物。
だが。
「ガインは……、人間と……ほとんど変わらん……!」
これが今のロイドの、偽らざる気持ちだ。
アリスは目を丸くしていたが、一瞬微笑み、穴倉と瑠璃へ向き直り、独り言の様に呟く。
「まぁ、ガインは、わからず屋なところも、話せばわかるところもあるし、人間っぽいわな。とにかく話にならねぇ瑠璃や穴倉とは違うわ」
ガインが目を見開く。
しばらくそのまま停止した後、柔らかい表情になり、口を開いた。
「アリス、お前たちも人間とそう変わらん。きっと、人間と魔物は違う、と決めつけることが、実際に人間を人間に、魔物を魔物にするのではないか?己はゴブリンだが、人間と変わらぬ教養を得て、従来のゴブリンとは異なるゴブリンとなった。己たちは心次第で、何者にでもなれる。違うか?」
「……お前はそれでいいわ」
アリスは、穴倉と瑠璃を見ている。




