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騎士団の抜剣
墓地には、既にシャサとエタースが戻っていた。
さるぐつわをされ捕縛されたネネクレアが転がっていた。
その様子を見た騎士団のうち、指揮官であろう男が叫ぶ。
「抜剣!」
他の騎士が軒並みバスタードソードを帯剣している中で、一人だけ幅広のブロードソードを腰に差しているその男は、騎士団の一団の一歩前に出て、剣を構えた。
シャサが面倒臭そうに、長針を両手に持ち、摘まむ様に構える。
フィリップは己が目を疑う。
兄だけが泰然としていて、抜剣していない。
ニヤリと笑ったゲドが声をあげる。
「騎士団、下がってくれ!俺は混沌のゲド!治安を乱す様な暴れ方はしねえ!俺たちは誘拐されていたその子供を助けただけだ!奴らは蕀のセオドールとダーハム!悪評は聞いてるだろ!手助けしてくれ!」
その言葉を受けた指揮官らしき男は、セオドールを睨む。不快げにセオドールが口を尖らせた。
「冤罪だコノヤロー。確かに誘拐はしたけどよ、それは食料をパクる為だ」
溜め息をついたダーハムが首を振る。
「何言ってんだよー。それじゃ罪が増えるだけじゃんかー」
「うるせー!」
すかさず叫んだセオドールに、騎士団の非難の目が集中する。
「勝ったな」
エタースがほくそ笑んだ。




