いや、いいよ。信用する
「怪しいと思うのはわかるわ。でも、私はジアナを助けたいの。それだけは信じて」
泥島はミモザをじっくり見据える。
言ってることに色々穴があるし、聞きたいことは聞き出せていない。
だが、キーネはもういないし、自分もジアナを助けには行きたい。
だから、休戦してもいいと、泥島は思う。
「……」
泥島は、タツキとゴウを見る。
タツキとゴウも、泥島を見る。
「俺たちは」
ゴウが口を開いた。その表情は真剣で、かつ、話を聞いてくれ、という願い顔になっている。そして、ハンマーを手から離した。
ハンマーが地に落ちると、接地した場所の土が少しえぐれた。ゴウはその土を、足で平らに直した。
「俺たちは、さらわれたネネクレアを助けたい。そして、ミモザさんと戦ってるドロシマ……あんたが敵だと思ったから戦った。それだけなんだ。キーネさんにも謝る。土もこうやって元に戻す。だから、話してわかり合えるなら、戦う理由はないと思いたいんだ。俺たちは、ネネクレアを誰にも殺させない。俺たちの気持ちは、キーネさんと同じだよ。もう一度言う。俺たちは、ネネクレアを助けたい」
ゴウの言葉にタツキも頷く。タツキも剣を鞘に収め、泥島に投げてよこした。
「信用出来ないなら、ドロシマが持っててよ」
その目は、もう、燃えてはいなかった。
ミモザは信用出来ない。それは変わらない。だが、少年たちの言動は、信じてみるだけの迫真力があった。
「いや、いいよ。信用する」
泥島は、受け取った鞘入りの剣をタツキに手渡し、続いて、地面に落ちたハンマーを拾い上げ、ゴウに差し出した。




