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タツキ駆ける
今、泥島が戦う気になっているのは、ミモザとキーネのやり取りを、泥島なりに考えた結果である。
ミモザは、ジアナの友人だ。
ジアナを助けたい気持ちがある泥島としては、協力したいし、仲良くしておきたい。
だがしかし、ミモザは、泥島としては、やってはいけないことをやった者だ。
ミモザは、老婆キーネを傷つけて、外に向かって投げ捨てた。
それを受けて、キーネはぐったりと座り込んだ。
これは、強者であるミモザが、弱者であるキーネを蹂躙したと、泥島は解釈した。
「お前たちの力は、何の為の力なんだよ?」
逆に問う泥島に対して、タツキは眉一つ動かさない。
その目の炎は、やたらと高揚していた先程までの雰囲気とは違い、小さく引き絞られ、静かに燃えているといった様相で、泥島の気も幾分引き締まる。
タツキの居合いの構えは、依然として続いている。
抜剣の時を引き寄せるかの様に、徐々に、徐々に集中力を高めるタツキは、緊迫した空気の中で、泥島を一層鋭く見据えた。
その目の炎が、再び強くなる。
「強い相手と……、戦う為さ!」
タツキは駆けた。




