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デイヴの眼
「え?何ですか?え?」
泥島はたじろいだ。
ミモザも、デイヴも物凄い形相だったからだ。
一見、驚愕の表情。
そしてミモザは、恐怖の色が混じった、ひきつった表情になった。
「主がいないゴーレム?報告しなきゃ……」
デイヴは、欲望の光が宿った、強い眼光を見せた。
遅れて、口元に小さな笑みが浮かぶ。
泥島は、何が二人の心の琴線に触れたのか、よくわからない。
そして、デイヴのギラつく眼に、本能的に不快感を覚えた。
「怖いですよ、何か……」
無言で歩を進める速度を速めて、デイヴと距離を取ったのは、判断としては間違っていないかもしれなかった。
デイヴは、そんな泥島をじっくりと観察する。
少し歩く速度を遅くし、ゴーグルを装着し、後方に陣取った。
考えごとをするには、視界を狭めて、二人を見ていたかった。
「これは、思わぬ拾いものだ」
これとは、まずは泥島のことである。
泥島はゴーレムでありながら、錬金術師を敵と見なす様な発言をした。
つまりは、錬金術師に制御されていないどころか、自我がある。




