一着しかねぇんだぞぉぉぉぉあぁぁぁぁぁぁ
「出た出たオイ、クソゴブリン!この野郎が!」
やっぱ再会したわ、こんちくしょうと!
「我が名は、ゲブ・ズ・ガイン!」
嫌な予感はしたんだよ!服部に会いに行こうと、ゴブリンの村に向かって歩いてたから、そりゃ鉢合わせもするわ!でも、こんなにいっぱいゴブリン引き連れなくてもええやんけ!ひくわ!
「魔王アリス!ここで会ったが百年目だ!覚悟しろ!…貴様、ミサや大地王をどうした?何故、姿が見えない!?…さては貴様、殺したな!?おのれ許すまじ!」
「待て待てクソゴブリン!俺は魔王じゃないし、ミサを殺したりしてないわ!ミサは、お前と入れ違いに、村に戻ってるから!…大地王は殺したけど。」
「何だと!?おのれ外道!」
「いや、でも、生き返らせたからね!大地王は今は、森の外にいるわ!」
「問答無用!外道魔王滅ぶべし!」
「待て待て、話聞けっつーの!お前のそういうところ、よくないぞ絶対!ぎゃあぁぁぁ、痛ってぇぇ!」
俺の待ての手を無視して、斬りかかって来やがったコイツ!ほんとコイツのこういうところ、よくないわ!あぁぁ、俺の両手の手のひらがスパッと斬られちゃって、指が十本とも、地面に落ちちゃってるじゃねぇか!ガイン、このクソ野郎!
「バカお前クソお前!回復魔法!」
俺は回復魔法を唱えた。瞬時に手が復元される。
「何ダあの魔法!このメが、初めて見る魔法ダ!」
何かジジイだかババアだかわからん、しわくちゃゴブリンが驚いてやがる。鑑定でステータスを見てみると、こいつ魔法使いじゃん。魔法職なのに、回復魔法すら見たことねぇのかよお前。それでもファンタジー世界の住人かバカお前。さてはこいつポンコツだな。
「風の刃よ顕現せヨ!風刃!」
このジジババゴブリン、何かシャキーンって、手をチョップの形にして振りやがって、空気の刃を俺に向かって飛ばして来たわ。ま、風魔法なら俺も得意なんでね!風使いの力、見せてやるわ!
「ひぐちカ●ター!ひぐち●ッター二枚刃!」
俺もシャキーンって、手をチョップの形にして振ってやる。俺版の風刃こと、ひぐち●ッターが、しわくちゃ青梅みたいなジジババゴブリンのウインドカッターを難なくかき消し、勢いそのまま上昇&カーブする様に、あさっての方向に飛んで行く。そのすぐ後ろの二枚刃も、変な方向にすっ飛んでった。ゴブリン共は無言だ。
「あーぁ、ハズしたわ。色んな意味で。わかる?的を外したって意味と、ネタ的にハズしたって意味のダブルミーニングなんだけど。…しかし、この世界の住人が、一昔前の日本のお笑い芸人の、よくわからんネタに反応するはずないわな。そこは反省点だわ。でも、こうも無反応だと、ちょっと茶目っ気出したつもりで言った自分が恥ずかしくなるわ。」
俺の言葉を無視して、周りのゴブリン共が矢を放ってくる。
「バカ野郎!危なっ、あぶっ、お前、バカお前、やめろクソが!」
矢を手で払う俺。するとガインがぶっ飛んで来た。そして、俺の左腕が、肩の根元から斬り飛ばされた。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!バカお前ほんとバカ!回復魔法!痛かったわバカ!お前ほんと何しやが…!」
復元された腕の、肩の根元をさすると、あったハズの服の肩部分がねぇ。見ると、斬り飛ばされた俺の左肩と共に、無惨に地面に落ちていた。
「この野郎…!」
「本気になったか、魔王!」
「…一着しかねぇんだぞぉぉぉぉあぁぁぁぁぁぁクソがぁぁぁぁぁぁ!」
俺は絶叫すると、右半身を引くと共に両拳を握り、左腕をダラリと垂らして、右腕は胸元まで上げた、デトロイトスタイルの戦闘態勢を取る。
「クソゴブリン!こらしめてやるわ!まじで!」
こいつちょっとまじでやってやるわ!




