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ろくなものを思い付かない
アリスは美少女の姿だった。
単純に可愛かった。
穴倉は、自分もあんな風だったらよかったのに、とぼんやり考えていた。
「俺だったら少女と見せかけて、触手で巻きついて喰い殺す」
棘のある花の様だ、と思う。
「ふふふ、はははは」
穴倉は、俯き加減で少し笑った。
「ろくなものを思い付かないな」
穴倉は、自分が化け物であることを前提に考えている。
人間であった記憶は、穴倉の思考の基準にはならないのだ。
「化け物だな、俺は」
泥島は泥の塊。
池中はスライム。
どちらも、自分と大差なかったが、池中瑠璃は非凡な戦闘センスで強さを獲得していた。
「あいつは、俺以上に化け物である自分を受け入れたんだ、きっと。だからあんなにも強い」
泥島が池中と同じタイプである可能性は高い。
何かで戦闘になる時があるかもしれない。
警戒せねばならない相手だ、と、穴倉は強く思う。
神殿は目の前だ。




