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ヒマな穴倉

切られ舞い上がる草花は、風に飛ばされ流れてゆく。

周囲の草花をめちゃくちゃに刈り散らす穴倉ではあるが、その目は空虚で、花の散る様子に何ら心動かされることもなく、何も望んではいない。


「ほら、あんまり意味がない」


穴倉が刈り散らしを止めると、刈った場所に瞬時に草花が溢れた。

穴倉はこれを幾度となく繰り返し、飽き飽きしていた。

そして、それとは別に、以前ほど草花への興味を抱けなくなっている自分に気付いていた。


「俺が知ってる植物しか生えない」


刈ると、草花は再生ではなく新生する。

しかし、あくまで穴倉の知る草花しか生えない。

故に、ここは作られた空間ではあろうが、微妙な変化を孕む、高度な空間だと穴倉は思う。


鳥の囀りも、穴倉の記憶や知識にしかない様なものは、何ひとつとしてない。

白々しいほどに、自分の知っているものばかりなのだ。

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