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アーマンダインの闇
引き合わされ、初めてビクトーと話した時は、とんでもないことになったと思った。
ビクトーは悪魔。
甘言で人間を悪の道に引きずり込む存在だ。
ミラーは悪魔にたぶらかされている、と、最初は思った。
しかし、その気持ちはすぐに払拭されることとなった。
ミラーは異常なほど冷静で、ビクトーは、およそ悪魔らしくない悪魔だったからだ。
ビクトーには、目的があった。
それは、魔王アプリコットの復活。
話を聞けば聞く程、ビクトーとアプリコットはただならぬ関係であるとしか、思えなかった。
「私風情がおこがましいことですが、エオエル様の仰る通りです」
ビクトーは、アプリコットとの仲を否定しなかった。
そして聞かせてくれた。
主、アプリコットへの思いを。
魔王復活を目指す本当の理由を。
当然、人間に害をなすということも、併せて告げられた。
それが魔物の生の意味なのだろうし、当然そうだろうな、とエオエルは思った。
ただ、それを正直に言う意味がわからなかった。
甘言で人を惑わす悪魔であるはずのビクトーが、どうにも腹を割って話してくれている様にしか見えなかったのが、どうしても気味が悪かった。




