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地下室

タツキは爛々と輝く目を剥き、セオドールたちを見る。


「蕀って」


一瞬だけ横に目線を移し、そこにいるゴウだけに聞こえる様に呟く。


「あの蕀?」

「他にないだろ。っていうか、一回見たことあるだろ。ありゃ蕀のセオドールとダーハムだ」

「知らない」


ゴウは、過去に蕀を遠巻きに見たことがある。

その時、タツキも一緒に蕀を見たはずだが、どうやら覚えてはいない様だった。


「どうせ強い奴しか見てなかったんだろ。多分お前が見てたのは、魔法剣士のアレックスか」

「ああ、あの人は強かったね。でも違うんだ。一緒にいた派手でリーゼントのおじさん、あっちが本命」


セオドールの片眉がピクリと持ち上がる。

タツキの一言は、聞き捨てならない一言だったからだ。


「もしかしてギルバーティのことか?何でそー思ったよ?あいつは何もしねー昼行灯だぞ」

「そうなのかな?俺にはそうは思えなかったよ」


タツキは剣をおさめながら構えた。

居合い斬りの体勢だ。


「やる気か小僧。一丁前にお前、侍なのか。仕方ねー、マジで相手してやる」


セオドールは、どこからともなく二種類の金属を取り出していて、左手に塊、右手に棒を持っていた。

そして、棒を塊にねじ込み回す。

きゅるきゅると音を立てて出来上がった武器は、メイス。

ゴウがハンマーを握り、かざす。


「簡易武器か。タツキ、俺たちなめられてるぞ」

「俺たちをなめるだけの強さはあるよ。この人強い」


セオドールは、口の端を持ち上げて笑みながら、刺す様な目で二人を見る。


「なめちゃいねーよ。おめーら地下室の二人だろ」

「やっぱなめてるよ。地下室じゃなくて地下牢だっ!」


飛びかかるゴウにほくそ笑むセオドール。

地下牢を地下室と言い間違えたのは、わざとだ。

セオドールは、最小限の動きでかわしながら、メイスをゴウの腹に打ちつける。


「若いな、地下室」


挑発に反応して直線的な動きになった少年ゴウ。

セオドールが向けた言葉は、もう一人の少年タツキにも届く。

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