腹を減らした森人
少年少女は、タツキ、ゴウ、ネネクレアである。
タツキとゴウの後ろにネネクレアがいる。
そして森人呼ばわりされたのは、セオドール。
近くまで少年たちが近づいていたことに気付かぬ、自分の緩慢な警戒心も相まって、さらに募った苛立ちが舌打ちさせる。
「何で気付かねーんだテメーは」
「そりゃこっちのセリフだよー!手ぶらのくせにー!」
確かにそうだな、との思いで、セオドールは納得して笑う。
自嘲気味に一瞬吹き出し、眉間に皺を寄せた。
すぐに目が座る。
ダーハムはセオドールの後方から続いていて、ネネクレアとはまだ顔を見合わせていない。
前方にいるセオドールは、口を力強く歪めながら、ネネクレアに向かう。
「おい、何なんだよ、森人って」
セオドールの不満げな声を聞いて、ダーハムは笑いそうになった。
セオドールもダーハムも、元々ワイルドな風貌ではあったが、森を遭難する間に髪や髭が伸びていた。
服は木々に汚されているし、いよいよ野人の様な姿になっていたことを、ダーハムはわかっていたのだが、セオドールは、それを自覚していなさそうなのだ。
「森人、怒らないでよー」
笑いをこらえながら、不機嫌な背中に声をかけるダーハム。
だが、セオドールはダーハムのそんな茶化しには反応せず、ネネクレアが背負う大きな荷物を見やった。
「よーガキ、それだけの大荷物なら、何か食いもん売ってくれ。金ならあるからよ。何ならその荷物ごと買ってやってもいい」
「それが人にものを頼む態度なのです?」
ネネクレアの言葉はもっともだ。
「うるせー。早く売りやがれバカ。俺らろくに飯食ってねーんだ」
「そんな頼み方ってないよー!俺に任せて!」
ダーハムが前に出た。
真剣な面持ちで。




