激突!魔人 vs 魔王
神速のアリス、そしてギルバーティ。
二人はまっすぐ頭突きでぶつかる。
突進型の頭突きというものは、自分の頚椎にダメージが来ない様に、首を引っ込め、肩をいからせて、ブレない首を一時的に作ることによって完成を見る。
「だっしゃア!」
そのセオリーを守ったのはアリス。
ギルバーティはまるで自分の頭を槌にでも見立てているかの様に振りかぶる。
そして激突。
このセオリーの差、そしてギルバーティの振りかぶり式の頭突きのタイミングの僅かな遅れが、そのまま明暗をわけた。
ゴボン、という嫌な音と共にギルバーティの額は陥没し、押し切られた首が不自然に反る。
アリスの頭突きに打ち負けたギルバーティは、ブリッジの体勢で頭から地面に突き刺さった。
「おぉ、いいブリッジだわ。初代タイガーマスクのデビュー戦のブリッジ感あるわ。何だ、魔王とか言ってるから、魔人の俺の千倍ぐれぇ強いんかと思ったら、何のことはねぇ、同じぐれぇじゃねぇかよ。ないわー」
アリスはおどけ、手を水平に伸ばしてウェーブを繰り返す。
下がり眉で、口を大きく横に開いた相変わらずの笑みで。
「な、何という強さ。そして不遜さ」
ビクトーが驚愕の表情でひとりごちた。
だが、ギルバーティは瞬時にダメージを回復させており、ヘッドスプリングで立ち上がり、アリスを睨む。
「とことんやってやるぜ!」
ギルバーティの目が強く輝く。
「よく言ったわ。俺の炎の鉄拳食らわせてやるわ!」
アリスは左足を大きく振りかぶり、思い切り踏み込んだ。
地が割れ、両足から炎が逆巻き、アリスの全身を包む。
左手のガードを下げ、右拳を胸前まで上げて、馴染みの構えを取った。
「待ちなさいよ」
瑠璃がアリスの前に立ち、ギルバーティを睨んだ。




