二人の行き先
荒野を超速で駆けるアリスと、スライムの姿で圧縮水を吹き出し、空を飛ぶ瑠璃。
アリスは、ちらりちらりと瑠璃を見やり、口を尖らせた。
「やっぱ人間の池中の姿に戻ってほしいわ。池中の皮が破れて、中からスライム出て来たアレ、夢に出て来そうだわ。アレ、シシガミ様からにょーんって出て来たデイダラ感あるわ。ボッチ感あるわ。」
「ボッチ感ってやめて。何だか胸がチクチクするのよね」
「バカ、俺が一緒にいるわ」
「…もう」
二人は、付き合い始めのバカップル化を微妙に謳歌していた。
今でこそアリスは駆け、瑠璃が飛ぶという移動手段に戻っているが、しばらくは手を繋いでお互いを見つめながら歩いていたのであった。
瑠璃という彼女を得たことで、アリスは、泥島のことがどうでもよくなり、目的地を変更したが、瑠璃には詳しいことを知らせていない。
瑠璃としては、どこに向かっているかアリスに聞いても要領を得ないので、泥島ではない誰かのところに向かっているのではないか、という予想をしている程度だ。
「ところであんた、Revolutionって何だったのよ?」
アリスの表情が真剣になる。
Revolution。
それは、何者かがアリスに与えたスキル。
使用すると、肉体のポテンシャルが爆発的に向上するが、魔力のバランスが崩れると効果が切れ、動悸、息切れ、倦怠感、膨満感、眠気、吐き気、目眩、寒気、耳鳴り、じんましんなどの地味なリスクがランダムで一つ二つ襲って来る、らしい。
こんなノリは、カプリスの仕業だろうと考えたアリスは、カプリスの魂を感知しようとした。
そして泥島の魂を感知するついでに探し、カプリスが地上にいることを知ったのだった。
「Revolutionが何かを、今確かめに行ってるんだわ」
目指すはカプリスだ。
「とりあえず、ぶん殴って色々聞き出してやるわ。地上に舞い降りた女神?やかましいわ、あのゴミが」




