異空間も天地返しも、全然ダメじゃん
そのままアダムは落ちて行き、セオドールとダーハムからは見えなくなった。
「このまま一時間待つぞ」
「えー?異空間、早く解除しよーよー」
「おめーバカか?あいつ飛空魔法持ちっぽかったろーが。解除したら飛んで普通に俺らんところ来んぞ」
「それはやだなー」
「だから重力渦に飲み込まれるの待つってんだよ」
「しょーがないかー。俺、高いところ苦手だから早く解除したかったんだけどなー」
「俺だってちびりそーなぐらい怖いってんだよバカ」
「でもお陰で、あいつはもー終わりだよなー」
「いや、まだわからねー。あのヤロー、変な魔道具使ってやがったろ。だから天地返し、効かねーんじゃねーか?」
「えー意味わかんねーよー」
「バカかてめー。魔力を無効化する異空間で、俺らの歌が無効化されねーのは何でだ?」
「あー。魔力じゃなくてスキルだからだー」
「だろ?飛空魔法の効果なら消せるけどな、スキルで飛ぶ奴はどーにもなんねーんだよ」
「えー?異空間も天地返しも、全然ダメじゃんよー」
「うるせー!魔力封じりゃ大体の奴は自由落下で燃え尽きんだろーが」
「だから、スキルで飛ばれたらアウトじゃんよー」
「さっきからそー言ってんだろーが!」
「えー困るよー」
「うるせー」
『見いつけた。そこにいたんですね』
亜実の声がした。
下を見ると、広がる空に、アダムが浮いていた。
「くっそ、見つかったぞ」
「どーすんの?ねーどーすんの?」
「うるせー」




