割り込んだ拳の男
「「何者!?」」
地に膝をつくカプリスとガイン。
轟音と共に、二人の前に、何者かが勢いよく着地する。
カプリスが目を見開く。
ガインは目を細める。
見やる先には、土煙。
着地で舞った、土煙。
土煙が風に流されると、そこに、だらしなく直立した男が立っていた。
黄色のパーカーに、黒い幅広の腰パン。
坊主頭に、顎の無精髭は短い。
顔は整っているが、見開かれた目には、歴戦の凄みある強過ぎる程強い眼光があり、見る者を飲み込む様な狂気があるが、どこも見ていない。
武器は持っていない。
ガインよりやや小さい身長は、百七十センチあるかないか。
突如、男はその場で高速スピン。
回転を止めると共に、両足を肩幅に開き、パーカーのトンネルポケットに両手を突っ込んだ。
正面を向いたその目は、依然、何も見ていない。
そしてリズミカルに叫ぶ。
「ゴイスお前ら俺ムカアングリー!」
叫びの途中でパーカーから手が出されており、言い終わるまでに、無数の高速の拳が空を切る。
言い終わると同時に止まった左拳は、いつの間にかショートアッパーの体勢だ。
そしてまた叫び出す。
同時に、またも繰り出される無数の拳。
「女神お願いKOコブシ!」
言い終わると同時に止まったのは、今度は右拳。
そしてやはりショートアッパー。
「ファッキンガイン!」
ガインに顔を向け睨む。
「ファッキンルレット!」
カプリスに顔を向け睨む。
「殴り殺して終わらせるのはァ!」
またもその場で高速スピン。
男は、止まると同時に、またも足を肩幅に開き、両拳を握って、体を後ろに反らせて絶叫した。
「魔拳のォ!SAARUUUU!」




