イオ危機一髪
「神気は私には効きませんわ!見えましてよ!」
効かないはずはない。
ガインの剣や神気に一切触れずに時間を稼ぐのは至難の技だ。
だが、やらねばならない。
イオは、自分に発破をかけたのだ。
決意のイオは風雷牙を避け、神気と電撃を帯びた砂塵に触れない為、転移魔法で空へ逃れた。
「浮遊魔法!」
炎を纏ったカプリスが飛翔し、イオに迫る。
その手には先が二又にわかれた剣ズー・アル・フィカール。
「魔剣まで持ち出して、何をしようというのですか、カプリス!」
「聖剣ズー・アル・フィカールさ!あなたの様な余計な存在を排除するのだよ!」
「余計な存在は、あなたですわ!だから魔剣なのですわ!」
イオは、亜空間から王杓を取り出し、カプリスの剣を受けた。
「はあああああああああ!神気、発動!」
イオの放つ気は、カプリスのそれを凌駕した。
「やはり本気を出されると、分が悪い様だね!でもね!雷火魔法!」
雷火は感電による緊縛という追加効果を狙った攻撃魔法だが、高い魔法耐性を持つ女神に対して放っても、一瞬ほども動きを止められない。
「くっ、複合属性による魔法!?しかし緊縛効果など、魔法耐性のある私には効果薄ですわ!ッッ!?」
しかし、一瞬以下でも動きを鈍らせれば、カプリスとガインには充分なのだ。
気付いたイオだが時既に遅し。
下方より超高速で特攻してきたガインの風雷牙が、イオの眼前に迫っていた。
「しまった!」
「己たちの勝ちだ!」
カプリスの嗤い顔が、またもガインの後ろに見える。
敗北に、イオの顔が泣き顔になる。
だが、切っ先がイオに触れることはなかった。
ガインとカプリスは何者かに殴り飛ばされ、彼方へと吹き飛び、神気と電撃の砂塵は、衝撃と共にイオを中心として全方位に吹いた暴風に、全て吹き飛ばされていた。




