強さの違い
あたたかい日差しが心地よい。
穴倉はまどろみの中で、アリスの声を聞いた。
「確かにクマガイはキショいな。俺だったら手が出てるかも」
目を開けると、そこは花畑。
何となく見覚えがあった。
「ここは…初めの場所か。そうか、俺は池中に殺された」
ゴブリンを殺し、喰らい、焼き尽くした。
殺戮と捕食と焼却の道を歩み、ルリが立ちはだかった記憶が脳裏に甦る。
水の弾。
ゴブリンとのチームワーク。
水の檻。
浮上する虹色の掌。
そして天から降る、超特大の拳一撃。
「俺は単純だったけど、あいつは戦いの工夫の天才だ」
穴倉は自己再生しながら、近接攻撃なら爪、近中距離なら触手、そして遠距離は混血熱線砲という戦闘方法を延々繰り返すだけだった。
しかし、ルリは想像だにしない戦法で、穴倉を苦しめ、そして追い詰めて、ついには殺した。
「差があった。俺と池中じゃ」
生えているクローバーを眺めていると、四つ葉を見つけた。
穴倉は、爪を薙いで切り裂く。
「あいつが四つ葉だった。俺はありふれた三つ葉。そういう風に俺たちは作られていた」
自己再生がなければ、戦闘開始から程なくして食らった、背後からの一撃で負けていた。
真正面からにじり寄るだけの自分と違い、手段を選ばないのも、ルリの強さだと穴倉は思った。
「戦いに卑怯なんてない。どんな手を使ってでも勝たなきゃ意味がない」
「…それは違ウ」
背後から声がした。




