限界突破 Revolution
森の中。
木の穴の家で塞ぎ込んでいるアリスがいる。
池中瑠璃は、尚もアリスの周りを、そわそわウロウロしている。
と、泥島の強い思念が、念話となってアリスに届いた。
『食事に誘われただけで、俺、ジアナを好きになってしまいそう─────!』
「何だと」
突っ伏したまま呟いたアリスは、魂感知の能力を、最大パワーで発揮した。
「燃えろ俺の小宇宙───!」
叫んだアリスは、魂感知による視界を体の外に広げる。
写真のネガの様な、黒く感光した世界となったその視界が、アリスの脳に、映像となって映る。
アリスの意識は細長く伸び、森を越え、山を越え、遠い地へと行き着いた。
しかしそこは、射程の限界でしかなく、泥島へは程遠い。
「まだだわ!俺の命が終わってもいいわ!限界を超えろ俺!あん奴の魂を探し出すんだわぁぁぁぁッッ!」
その時───!
アリスの視界に、黄金の文字が浮かんだ。
そして声が聞こえた。
『目覚めよ!アール!イー!ブイ!オー!エル!ユー!ティー!アイ!オー!エヌ!』
「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ!限界突破!Revolution!」
アリスに、新たなスキルによる力が宿った。
黒い闇の気、そして黄金の神気が爆発的に、アリスの体から放出される。
意識による視界は、再度伸びた。
景色が流れ、遠く、さらに遠くへと。
そして、色のついている灯火を見つけた。
泥島の魂だ。
アリスが勢いよく顔を上げる。
「捉えたぁぁッッ!」
目は爛々と輝いて、楽しそうな笑みを浮かべていた。
その顔を見て、ルリが喜びの声をあげる。
「アリス!機嫌が直ったのね!?」
「行くぞ池中!レパードだわ!」
アリスが一直線に穴から飛び出し、跳んで、木々の間をあちらこちらへ三角飛びで飛び回り、ルリの眼前に凄まじい勢いで着地した。
その目の光は力強く、金髪が、きらきら光る。
「隣の国!?何で!?」
アリスはルリを一瞥すると鼻で笑い、背を向けて、上半身だけ向き直り、両手を広げた。
そして下がり眉で目を見開き、口を横に大きく開きながら、口角を上げ、牙じみた歯を見せ嗤う。
「泥島の恋を、邪魔するんだわぁぁ!行くぞ今来た新魔法!暴走天使達的魔法!」
速度上昇の新魔法で、アリスは、そしてルリは、神速を超える超神速の速さを手に入れた。
アリスは駆け、ルリは飛ぶ。
勝ち気な笑顔で、アリスが叫んだ。
「俺より先に幸せになるのは許さん!」




