ギルド闖入
「すいませんね、これ換金したいんですけど」
声の主は、ゴーレムだった。
扉を開け放ち、顔がひしゃげた翼竜の死骸を肩にかけたそれは、遠慮もなく室内へと入って来た。
「受付の人はどこですか?カウンターにいらっしゃらん…」
流暢に言葉を話したゴーレムは、周りを見渡す。
呆けていたジアナだったが我に返り、慌てて返事を返した。
「は、はい!素材の換金ですね!では、申し訳ありませんが、こちらではなく、西のギルドまでお願いします!」
「案内してもらっていいですか?」
「もちろんです!」
ジアナがカウンターに行き、呼び鈴を鳴らすと、奥から他の受付嬢が出て来た。
引き継ぎを迅速に済ませ、ジアナはゴーレムと共に、扉から出て行った。
「しらけちゃいましたね」
レイン・ウインターウッドは肩をすくめ、聖金貨を一枚、ユウに投げてよこした。
「今度こそ、今日のところは、これで退かせて下さい」
「あるではないか、金が。しかし次は、有り金全部頂くから、そのつもりでいろ」
「俺はそんなに、儲かっちゃいませんよ」
レインの姿が掻き消えた。
するとユウの表情が、忌々しげに歪む。
「守銭奴のしみったれめ。まあ、これで肉飯をたらふく食えるか。」
がちゃがちゃと、鎧の金具がこすれる金属音を、この日初めてたてながら、だらだらとした歩きでギルドを出て行くユウ。
扉が閉まると、ギルド中に安堵の声が漏れた。




