タツキとゴウと、ネネクレア
「こっちなのです!」
ネネクレアに連れられて冒険者ギルドを出たタツキとゴウは、爆走するネネクレアの後ろをついて走っていた。
直線を全速力で駆け、小さな下り階段を跳んで降りると、すぐに上り階段があり、駆け上がると角を右に曲がり、三つ目の角を左に曲がって細路地に入ると洗濯紐エリアだ。
高い位置の洗濯紐を屈んでかわし、腰の高さの洗濯紐を跳び越えて、左が高く右が低めの、斜めにかかっている洗濯紐を左に寄って走り抜けると細路地を出る。
階段があるが、無視して飛び降りる近道をすると、左手に大通りがある。
そちらに向かって走り、すぐにある角を右に曲がる。
そしてラストスパートとばかりに走ると、程なくしてムーラン商会の前であった。
「何となくついて来ちゃったけど、ジアナさん、大丈夫かな?」
「超人勇者に任せときゃ大丈夫だろ。それにしてもこの娘、超人でもないのに健脚にも程があるよな」
LV1に戻ったとはいえ、タツキとゴウは超人だ。
故にこの程度では息一つ乱れはしないが、二人は、超人でも何でもないネネクレアが、あれだけ走って、同じ様に息が乱れぬ様子を見て、軽く驚いた。
意に介さぬ様子のネネクレアは、二人に向かって高いテンションで話しかけた。
「あの娘も悪人なのです!カツアゲしてたのです!騎士団に通報するのです!」
タツキとゴウは顔を見合わせ、笑った。




