457/2233
飯をおごれ
「何故攻めて来んのだ?貴様ら」
ユウの挑発的な言葉に、エタースとシャサは、苦虫を噛み潰した様な顔になった。
半眼で二人を見つめるユウは、溜息混じりに話しかけた。
「貴様ら、飯をおごれ。さすれば、命だけは助けてやろう」
ユウはいつの間にか立ち上がっており、鞘ごと剣を左手に持っている。
だがそれは、ユウの剣ではなかった。
「借りるぞ、少年。あと飯をおごれ。こ奴らを撃退してやる対価として」
ユウが持っているのは、タツキの剣である。
タツキの目の炎がさらに燃え上がった。
ユウの言葉を無視してタツキがひとりごちる。
「全然わからなかった。いつ剣取られたんだろ?」
「指敬礼の後に拝借した。そんなことより、飯をおごると言え」
ユウが剣を抜く。
タツキの剣は、先日折れたままだった。
「この剣、折れておるな。何かこだわりが?」
「ないです」
「ないのか、いい加減な奴め。ああ、腹が減った!少年よ、飯をおごらせてやろう!」
覇王足り得ると思わせる、圧倒的な闘気がユウの体から放出された。
屈強な冒険者たちが気圧され、あまりの格の違いに驚愕の表情を見せる。
「私は無一文なのだッッ!誰か飯を…おごれッッ!」
「いいでしょう。俺がおごりますよ」
ユウが見据えた先には、シャサよりもさらに長身の青年が立っていた。




