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ネネクレア、ギルドへ足を踏み入れる
そんなネネクレアが扉に向いたまま躊躇していると、不意に影がかかった。
誰かしらが後ろにいることに気付いたネネクレアが振り向くと、がっしりした体格の大男が立っていた。
髪は短く刈られているものの、天然パーマなのがわかるその男の体躯は180センチ以上はあるだろう。
目は細く、顎のラインはスッキリしているとは言い難いが、緩んだり垂れているわけでもない。
上は赤と黒の、色合いとしてはあまり映えていない法被で、下は黒いニッカポッカの様な幅の広いズボン。
ゲートル巻きの足首は、男の体格から考えるとやや細く見えるが、無理矢理きつく巻いているのが逆にわかる。
草履履きの足はがに股で、あまり行儀はよさそうではない。
「そんなところに立ってないで、中に入れよ」
眉を下げ、への字口になった大男の顔はまるで蛙の様で、ネネクレアは男の左手で開けられた左扉から、再度店内を見ることとなった。
そして男の右手で押されたネネクレアは、先程一歩も入らなかった店内へと、足を踏み入れることとなった。
店内の男たちは、再び姿を見せたネネクレアを見て一瞬苦笑いしかけたが、後ろの男を一瞬見やり、すぐに目を逸らした。
ネネクレアには、後ろの男が誰なのかなどわからない。
だが、腕が立つ冒険者だろうということだけは、筋骨隆々の男たちの態度ですぐさまわかった。




