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ネネクレアは経験値0
何故ならば、肩かけ型の木製の仕切り箱に薬草の束や配達用のポーションを入れ、アグレッシブな走りでもってメリディア内を忙しなく行き来するネネクレアの姿を見れば、体力面での不利は見受けられないからだ。
それが、ネネクレアの育ちに起因していると思う者は多い。
ネネクレアの実家は、メリディア城南地区に居を構えている。
父はメリディア城の警備騎士の副長で、一人娘のネネクレアは、幼少の頃から父に初歩的な剣術、槍術、護身術などの手ほどきを受けていたのだった。
魔法学校にも通い、しっかりした基礎を身に付けて、LV1とは思えぬ様な、速くて確実な詠唱をこなせる様になったし、なかなか優秀な成績で卒業したものの、警備騎士副長の娘のイメージに比べれば、凡庸な印象の域を出ていない。
ネネクレアは、魔力量が特に多いわけでもないし、攻撃魔法を磨く機会もなく、しかも警備騎士の副長ということもあって、駆け出しの低LVパーティーにとって、少々面倒くさい対象でもある感は否めなかった。
つまりは、悪気のない毒舌だけが理由とは言えない、得も言われぬ存在感を醸し出しているネネクレアである。
ネネクレアは、冒険者ギルドの建物内にいる男たちを見て緊張したが、その逆もまた然りで、地元の冒険者たちをやや緊張の面持ちにさせたのであった。




