ネネクレア走る
大通りは石畳で舗装されていて、走るネネクレアの踏みしめは力強い。
目指すは冒険者ギルドだ。
ネネクレアは走る。
大通りの突き当たりを左に曲がり、すぐに右手に見えて来る階段を駆け上がり、右に曲がると細路地だ。
全力で駆け入ると、すぐに洗濯紐が複数見えて来る。
最初は、右側が高く、斜めにかかっている洗濯紐を右に寄って走り抜け、腰の高さにかけられた次の洗濯紐を跳び越えて、胸の高さの洗濯紐をかがんでかわすと一気に開けた通りに出た。
そのまま右に曲がり、三つ目の角を左に曲がると下り階段があり、駆け降りるとすぐまた上り階段があり、ラストスパートとばかりに伸びた直線を走り抜けると、そこが冒険者ギルドだ。
「全く危ない目に遭ったことがない、LV1で経験値0、体力0の私をガッチリ支えてくれる優れた冒険者を仲間にして、薬草採集を手伝ってもらうのです!」
誰がどう見ても健脚で体力はあるが、彼女の中では体力面に自信がないらしく、ネネクレアは、頼れる仲間を得たいらしかった。
「善は急げなのです!たのもーなのです!」
古びた建物の、観音開きの扉を開けると、煙草の臭いが溢れてきた。
見ると中には、筋骨隆々の男たちがひしめいていて、一斉にネネクレアを見てきた。
「…お疲れさまなのです」
消え入りそうな小声を発したネネクレアは、中に入らずにそっと扉を閉じた。




