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アリスとルリの再会
アリスは、木の穴の家にいまだにいた。
膝に突っ伏したまま、動かない。
それを茂みの中から見ている人間がひとり。
エディだ。
アリスのあとをつけて来たエディは、雨に打たれながら、全てを見ていた。
何だかよくわからないが、動物たちに謝るアリス。
何だかよくわからないが、動物たちに拒絶された様子のアリス。
何だかよくわからないが、泣くアリス。
そして、動かなくなったアリス。
これは慰めねばと思いながらも、何時間も声をかけられずにいるエディは、眠気と戦いながら、依然としてアリスを見ている。
エディが大きなあくびをし、鼻をひとすすりした瞬間とほぼ同時に、池中瑠璃が現れた。
「…ちょっとアリス、顔をあげなさいよ!」
怒気を孕んだ聞き慣れた声に、一瞬アリスの肩が跳ねた。
しかし顔をあげない。
こんなアリスを見たことがないルリは、体を引きずりながら近づき、顔を覗き込む。
よくはわからないが、ルリの目には、アリスが泣いている様に見えた。
「め、目なんてどこにあるのか、わからないけど」
慌てふためいたルリの口からついて出た言葉は、今言わなくていい、他愛もない思考の言語化でしかなかった。




