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雨宿りの泥
「雨超怖いよ…」
泥島は、土砂降りの雨に参っていた。
もう二日も、雨宿りしたままだ。
泥島としては、晴れていないと、どうにも心地が悪かった。
何故ならば、泥島は、泥だんごである。
水分が体に混じるのは、どうにも避けたかったのだ。
しかし、泥島はただの泥だんごではない。
様々な能力が開花したスーパー泥だんごであり、体内に埋め込まれている物質と同じ材質に変化出来るのだ。
そして今、聖金貨と呼ばれるミスリル金貨が核となっている泥島は、体を核と同じミスリル合金に変えることが出来る。
よって、ミスリル化すれば、雨などどうということはない。
だが、泥の本能が、水を嫌悪する。
思えば、いくら友だちの穴倉を殺されたとはいえ、これまた友だちの池中瑠璃を相手どり、穴倉の仇を討たんと本気で命のやりとりをしたのは、泥島の気持ちももちろんあるが、泥としての水に対する本能、嫌悪感が自分の意識に溶け込んでいるからではないだろうか。
言い訳じみている自問自答に、泥島は己の姑息さをかんじずにはいられなかったが、それは結局雨に濡れたくないという、ちっぽけな感情の発露でしかなく、しかし改善しようとも思わない、雨の日の怠惰な泥島であった。




