地下牢の弱体化
「落ち着きなよ、ユキシマ」
部屋の中で行ったり来たりを繰り返すユキシマゴウを見たフクシマタツキは、眠そうな目で笑った。
「これが落ち着いていられるか!姫様に会うんだぞ!」
ベッドに腰かけているタツキに向かってゴウが走り、地面と水平になる様に跳んで、その屈強な体を浴びせた。
十字の形で接触した二人の体は、タツキの踏ん張りも虚しく、柔らかいベッドに吸い込まれた。
「いてて、ユキシマやめてよ。俺、LV1なんだからさ、手加減してくれないと死んじゃうよ」
「わ、悪ぃ」
「…はしゃぐ気持ちは俺も一緒だけどさ!」
今度はタツキが、ゴウの首に腕を巻きつけ、ぐいぐい揺さぶった。
しかし、その力は以前のものではなく、圧倒的に弱かった。
「姫様にどう言うかだよな」
ゴウはタツキに首を捉えられながら、気にする素振りもなく立ち上がった。
「ほんと、どうしようかなー」
のんきな親友タツキの声に、ユキシマゴウは肩を落とした。
ゴウのLVは6。
タツキのLVは1にまで下がっている。
このLV差を埋める術など、ゴウには思い付かなかったが、取り返せないLVでもないと思いもしたのだった。
LV6は通常、一般的な冒険者の到達出来る限界を超えたLVだ。
しかしタツキとゴウは超人。
彼らのLV6は、一般的な冒険者のLV20相当のステータスを誇る。
つまり彼らは、伝説の勇者足り得る器なのだ。




