辣腕のカラクリ
バンダーベルグは門に着いた。
最高権力者であっても、入街には厳重な審査がある。
バンダーベルグは何度も何度も持ち物検査をされ、鑑定されて、なかなか入街することが出来ずに拘束されるだろう。
理由は、鑑定阻害の魔法を解かないから、である。
正確には、解かないというより、解けないのだ。
鑑定阻害などの魔法には、三日ほど効果が持続するものがある。
バンダーベルグは、鑑定阻害の魔法を持ってはいるが、解除魔法を持っていない。
解除魔法を持っている人間など、そうそういるものではないので、足止めを食うだろう。
効果は一両日中に解けるだろうが、それまでは待つしかない。
バンダーベルグは、市長であり、神官でもあり、ギルド長でもあり、冒険者・妖でもある。
その時々で各立場を利用し、都市としてのかたちを築いて来た。
厳重な審査があるベルティザを作り、比較的安価で神殿を利用出来る制度を作り、市として冒険者に仕事を依頼し、都市の英雄・妖として、市長バンダーベルグに従ってきた。
人間以外がなかなか入街出来ない都市にすることによって、人間派を支持勢力として取り込み、同時に、魔王ギルバーティの本体を地下に確保していることで、ワームが無限に湧く。
そして市長としてワーム退治を冒険者に依頼し、妖としてその先頭に立つ。
これにより魔物への反感、そして市長と妖に支持が集まり、行政、神殿、ギルド、そして人心の掌握も成る辣腕市長として独裁を敷いているのだ。
ワームが湧き過ぎていることは、懸念材料ではあるが。




