倒すとも
エイミーだ。肌がぼろぼろに崩れ、ところどころ骨が剥き出しになっている。
「ゾンビになってまで何をする気なんです?エイミーさん。ただの誘拐って訳じゃなさそうですね。」
「ユウもアンデッドにして、家族三人で永遠に暮らすの。邪魔しないで下さる?ガインさん。あなたには関係のないことなの。」
「ユウをアンデッドにすると聞いて、邪魔しないワケには行きませんよ。俺はあの子を守ります。あなたからね。」
「じゃああなたも死ぬわ。」
「己は死にませんよ。」
「ほざけッ!」
エイミーが駆け、右腕を振りかぶる。ガインに爪撃を加えようとしたが、ガインは既にそこにはいない。
「!?」
次の瞬間、エイミーは、腹這いになって倒れていた。四肢が全て斬り飛ばされていた。エイミーが焦る。
「待って!ガインさん、私の話を聞いて!」
「人であることを捨てた以上、人として扱ってもらえると思うな。」
ガインは、エイミーの言葉に聞く耳を持たず、冷淡に、エイミーの頭部を踏みつけた。
「お願い、話を聞いて!」
エイミーは尚も話しかけて来る。
「倒シテクレ…俺タチヲ…!」
エイミーの背中にいる夫が、泣きながらガインに言う。夫もろともエイミーに大剣を突き立て、ガインが静かに答える。
「───倒すとも。安らかに眠れ、人ではない者共よ。浄…」
「火球!」
と、術士が火球を飛ばしてきた。ガインは事もなげに避けるが、その間にエイミーたちは術士の近くに転移させられていた。
「暗黒吸収!」
「回復か。」
左斜め前の方向から踏み込んで来た骸骨めがけ、ガインは左手一本で軽々と剣を振りかぶり、振り降ろした。刃でなく剣の腹での一撃だ。骸骨は殴打攻撃に弱い。上からの大剣での殴打に、骸骨はそのまま押し潰され、粉々になった。
「次からはこうするか。」
ゲブ・ガインは強い。




