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ビクトーの企み
祭壇は円形の階段状になっていて、天井にも同じ造形がなされている。
一番下が半径五メートル、中段が四メートル、上段が三メートルといったところか。
上段には、大小無数の十字架が刺さっている。
ギルバーティが放つ玉虫色の後光は、床と天井に伸びていて、その無数の十字架が針の様な役割をしていて、光を、床と天井に縫いつけている。
その中央にギルバーティが浮いているのだ。
「ビクトー、こいつはお前を知っているみたいだが」
イゴールは疑問に思っていた。
魔王を復活させる為に動いているのに、魔王を殺そうとしているビクトーの行動はやはり不可解だ。
「返答如何によっては、俺はお前と同じ道は行かん。ビクトー、何を考えている?」
イゴールはビクトーを真っ直ぐ見据える。
ビクトーも、イゴールの目を見る。
両者共に、真剣な眼差しだ。
不意に、ビクトーが肩を竦め、視線を外した。
「…わかりました、お話ししましょう。まず、このギルバーティは本体。ですが、脱け殻です」
「…脱け殻?」
「以前にも言いましたが、ギルバーティは今、人間に憑依しています。ここにあるのは魂のない脱け殻なのですよ」




