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目覚めろ!己のダンジョン

パキン、と何かが弾ける様な音がした。ガインが、ベッドに寝ているユウを見やると、ユウの胸元のアクセサリーが発光している。何者かがユウに呪いをかけ、操ろうとしたのだ。だが、ガインが魔力を込めたアクセサリーは、生半可な呪いなど術者に返してしまう。当然、ユウはすぅすぅと、平和そうに寝息を立てている。数秒して、ユウにまとわりついていた瘴気が霧散した。術者に返らず、すぐに消えもしなかった瘴気の強さに、ガインが苛立ち、目を見開いた後、歯噛みした。

(おれ)を凌ぐ魔力を持つ術士が絡んでいるとは!」

外からは、とてつもない数のアンデッドの気配を感じた。ガインは窓から外を見る。魔物であるガインは夜目も効く。遠く離れた丘の監視台の上に、怪しく強大な力を放出している術者の姿を辛うじて捉えた。


「呪いを弾かれた!?なかなかの術士が守りを固めているな…!」

デシネは戦慄し、一瞬目を見開いた後、すっと細めた。夢遊の呪いでエイミーの娘ユウを操り、こちらまで来させるつもりだった。しかし呪いはいとも簡単に阻害され、相手は、呪い返しまで仕掛けていた。同じ呪いをぶつけ相殺して事なきを得たが、油断していれば、今頃相手に操られていた。相手の準備のよさに、自分たちの動きがどこからか漏れていたのか、と一瞬思うが、エイミーから漏れる以外は考えられない。やはりあの時、神殿で聞かれていたか?ならばもう身許は割れているだろう。ならば力押しだ。今夜、この町の全てを滅ぼし、支配するしかない。デシネは、ありったけの魔力を注ぎ込んで、強大なアンデッド兵団を作り出す。


ガインは、手のひら大の水晶玉を取り出し、ユウの部屋の壁に押し付けた。すると水晶が壁に沈み込み、屋敷全体が脈打ち始めた。驚いて飛び起きたエイミーの両親─つまりユウの祖父母が慌ててユウの部屋に来る。使用人たちも遅れてやってきた。

「ガインさん、これは一体!?」

「アンデッドの誘拐団が押し寄せて来ます!己が奴らを迎え撃つ!皆さんは、この部屋から決して出てはいけません!この玉にも触らない様に!いいですね!?」

ユウの祖父母も使用人たちも、真剣な面持ちで頷く。

「ゲブ・ガインの名において命じる!ダンジョンコアよ!汝、邪なる者からユウ・ジダールを守る神聖迷宮となれ!ダンジョンボスはこの己、ゲブ・ガイン!クリアアイテムは、ユウ・ジダール!絶対に誘拐団に渡すな!目覚めろ!己のダンジョン!」

部屋に聖なる気が充満し始める。屋敷内の空間が歪み、無数の迷路が造られ、光の魔物がそこかしこから湧き出て来る。ダンジョンボスとなったガインの能力は跳ね上がる。ガインは窓を開け、庭に飛び降りた。すかさず窓が閉まり、そこにあるはずの屋敷が、入口の扉以外は外から触れられない絶対不可侵領域となった。ユウたちの気配が消え、外から感じられなくなったのを確認したガインは、背中の大剣を抜いた。先頭のアンデッドに見覚えがあった。

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