表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
400/2233

クマガイのトラウマ

有栖川たちの見舞い後程なくして、クマガイは盗撮が癖になった。

それはある時、スマートフォンを取り落としたのがきっかけだった。

床に落ちたスマートフォンに、クマガイは閃いた。

それ以降、回診を狙ってはムービー撮影をONにし、スポーツバッグの上にスマートフォンを置く様になった。

角度調整も上手くなり、思う様に撮れる様になった頃、今度は自分の手でスマートフォンを持ち、盗撮する様になった。

盗撮している時の刺激だけが、クマガイに、有栖川の顔を忘れさせた。


事件は退院しての復帰初日に起こった。

有栖川たちを見ると、見舞いの傍若無人ぶりが脳裏に浮かび、クマガイは気分を害した。

そしておとなしい高木を見て、暗い劣情を抱いた。

スマートフォンの撮影機能を起動し、背後から近づいて、スカートの中を撮影し始めて数瞬後、盗撮に気付いた有栖川に殴り飛ばされた。

そして組み伏せられ、顔を殴られ続けた。

周りには散々罵倒された。

そしてまた、入院することになった。

今度は、誰も見舞いに来なかった。

そのせいで、多人数の目に晒されること、人に敵意を向けられることが恐怖になってしまった。

全ては有栖川のせいだとクマガイは思った。

恨みの気持ちは、無限に湧き出してきた。


「クマガイ様の魂は素晴らしい」


ビクトーの言葉で、クマガイは思考を中断し、探索を再開した。

ビクトーの言葉に含まれる黒さを、クマガイは理解出来ていない。


「俺は純粋だから!」

「そうですね。純粋で激しい魂でいらっしゃいます」


一瞬で数人を(ほふ)る強者に、自分を認めてもらえた。

その気持ちが、クマガイにとっては嬉しかった。

敵意ある攻撃から守ってくれるのも嬉しかった。

女たちにとって、有栖川がそうである様に、自分の仲間はこのビクトルとイゴルグだ、と、クマガイは思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ