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交錯する嫉妬
アリスは視線をロイドに移す。
「おい忍者、てめえは生かして帰さねぇわ」
「俺ごときに本気になるか。不可解な女だ、魔人アリス」
ロイドはその手に小太刀を持つ。
逆手ではなく、順手でだ。
アリスは顔を歪め、いじわるな笑みを浮かべて、ロイドに敵意を叩きつける。
「忍者持ちしないとか、お前詐欺だわ!忍者失格だわ!やーい!ゴミで!アホで!くそだんごで!ムッツリスケベで!役立たずだんごの!イーンチーキ忍者ー!」
「…インチキ?俺を愚弄するか魔人。本当に不可解な奴だ」
アリスの幼稚な挑発に反応したロイドは、眉間に皺を寄せた。
そして泥島はうなだれた。
「俺への悪口が混じってるんですけど、それは…」
誰も泥島の言葉に反応する者はいなかった。
泥島は、心の中で泣いた。
砂風が舞う。
ヴァリッジとエディが、睨み合う。
「…エディ、本当に何のつもりだ、てめえ」
「兄貴はアリスを誤解してるよおお。あの娘は兄貴が思ってる様な娘じゃないい」
「何が違うっていうんだ?…おい、てめえら。そこに転がってる吸血鬼とグルなんだろ?なあ?」
ヴァリッジは、吸血鬼と泥島たちが結託していると思っている。
撃退はしても、息の根を止めないのが、その証拠だと思っている。
冒険者たちがざわめく。
それに反応したのはアリスだ。
人気の変動には敏感なのだ。




