泥島 vs ヴァリッジ
エディはヌンチャクを振り回しながら、浮遊している泥島の近くにまでじりじり後退して行く。
「ドロシマあああ!」
珍しく緊張感あるエディの声に、泥島は嫌な予感を禁じ得なかった。
ヴァリッジの眼光は鋭い。
「加勢しろって言うんでしょ?絶対嫌!あのお兄さん、双剣のヴァリッジさんじゃないですか~!お前ね、ヴァリッジさんと仲直りして、後日、俺のことを友だちだって言って紹介してよ~お土産も買って用意するから~」
「兄貴の回転剣舞には気を付けろよおお」
泥島の卑屈な発言を聞き流し、ヴァリッジの情報を言い始めるエディ。
どうやら加勢は確定事項にされた様だ。
「兄貴は最初、真っ直ぐ突っ込んで来るからさああ、俺が何とか初撃を受けるよおお!だからドロシマは何か確実な攻撃でさああ、兄貴の足を鈍らせてくれよなああ」
「そういうのやめよう!?戦術に俺を巻き込むのやめよう!?」
「泥島は、速度向上魔法って持ってるかああ」
「…ちょっとだけならあるけどー…」
「それ俺とお前に重ねがけヨロシクううう」
「え~!俺マジで巻き込まれるやつじゃないですか~」
ヴァリッジが泥島を見る。
そして、泥島と目が合った。
「ド、ドウモ、ヴァリッジさん。エディの友だちで泥島って言います。あの、人間の味方です俺」
「俺にケンカ売ってやがんだろ?なあ?エディ」
ヴァリッジは二本のダガーの刀身を打ち合わせ、激しい金属音を鳴らした。
その瞬間、エディの顔には脂汗が吹き出すも、退く気はない様で、精一杯の反抗の意を示す。
「いくら兄貴でも、アリスにアレは…俺もドロシマも、兄貴を許せねえんだよなああああ」
「いや俺は許すよ!アリスなんか所詮アリスじゃん!お兄さんの好きにさせようよ!」
「…エディてめえ、仲間を売る様な魔物なんざとつるみやがって」
「よかれと思った俺の言葉で状況悪化しましたよ!もう嫌だよ俺~」
「…玉っコロ、まずはてめえからだ。てめえの全てが気に入らねえよ。なあ?」
「え!?何か俺嫌われてる!?もうやだ~」
泥島は白目を剥いて震えた。
次の瞬間、ヴァリッジは泥島の眼前にいた。




