地獄突き、炸裂
妖刀繊月の切れ味は鋭い。
アランが刀を引くと、刃がアリスの首の中心に向かって深く入ってゆく。
するりするりと、まるで絹をかき分けるかの様に、アリスの首の肉をかき分けた刃はしかし、骨に到達する前に止まった。
骨に噛んで止まったのではない。
アリスが右手で刃を掴んでいた。
あまりに強い握力で繊月を握られたアランは、刃を引くことが出来ない。
「何しようとしとんじゃお前!」
アリスが叫び、左手の指先を揃え、掌を上にしてアランの喉に向けて突きを繰り出した。
「ゴミが!」
ただの地獄突きである。
しかし、アリスがやると、その殺傷力は相手の喉を切り裂き、骨を爆散せしめる。
喉を抉られ吹き飛ばされたアランの体は、そのまま後方へと倒れた。
それを見ていた泥島は、眉間に皺を寄せ、げんなりした表情で吐き捨てる。
「うええ…どんどん化けもんじみてくなあいつ。地獄突きで喉が爆発するっておかしいよ。あんな奴やめとけよエディ…あれ?エディいないじゃないですか」
話しかけたつもりの泥島は、エディを一瞬見失ったものの、すぐにその姿を捉えた。
エディはヴァリッジの後ろに迫っており、側頭部へ向かっての足裏での蹴りを繰り出していた。
ヴァリッジは、アリスの背中からダガーを抜いた瞬間であり、避けが遅れた。
エディの蹴りが、ヴァリッジの頬を熱く焦がした。
「浅いかああああ!」
「エディてめえ、何のつもりだ!」




