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ヴァリッジ対アラン
「来たか」
猫背で足を揃えているヴァリッジは、足を肩幅に開き、親指をカーゴパンツのポケットに突っ込んで、背筋を伸ばし、顎を上げた。
対峙する侍、吸血鬼アランは、真っ白い着物を羽織り、草履履き。
背中まであろうかという長い青髪を後ろで束ねていて、摺り足で近付いて来る。
瞳は真っ赤で、人ならぬ、尋常ならざる雰囲気を醸し出し、鋭い殺気は、人外の領域に踏み込むCランク以下の者たちを青ざめさせた。
「死装束で来るとは、用意のいいこったぜ。なあ?」
「…」
風が、ヴァリッジの後方から吹いた。
アランは体の前面全体で、その風を悠々と受け止める。
風が乱れ、砂塵が舞い上がった。
身長ではヴァリッジが175センチ程。
アランは185センチといったところだろう。
高身長なのはアランだが、しかし、顎を上げたヴァリッジは、まるで見下ろすかの様な視線を送る。
「他の奴らはどうしたよ?ええ?」
「…この白装束が、お前の血で染まるのだ」
「会話が噛み合わねえ。これだから魔物は嫌なんだ」




