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魔軍の会議

「最初は、頭が痛い案件でした。私は先代に仕えていた頃に、ギルバーティの危険さを何度も目の当たりにしています。なるべくならば関わりたくはありませんでした。しかし、ギルバーティ本人が、エオエル殿に助けを求めてきた。」

「それがわからねーな。何で人間なんぞに助けを求める?」


マシアスだけではなく、全員が訝しげな表情だ。

ビクトーは頷く。


「そう、わからないのです。ギルバーティは、今代においては、元魔王の身分を隠し、人間に憑依して活動しています。そして何故か、この立場を堅持するつもりらしいのです。どうも、実力を晒したくない様なのですが…」

「そういえば、蕀は、貴族のおぼっちゃんの道楽チームみたいに言われることもあるわね。気に入った吟遊詩人を召し抱える道楽パーティーだと聞いたことがある」


かつてギルバーティは、吟遊詩人として有名になり、魔法剣士アレックスに蕀に勧誘され加入したのであった。


「最近は、歌で街行く人々の魂から微量の魔力を集め、糧としているらしいのですが、何故そんなことをしているのか…わかりません」

「…魔拳のSARU(サルー)に見つかりたくないのではないか?長大な寿命を持つ魔物狩りの英雄SARUだろう、ギルバーティを倒したのは」

「イゴール、詳しいですね。正確には大地王が倒したのですがね。しかし魔拳のSARUも強かったですよ。あの魔人アリスよりも強かった。そういえば、アリスのあの拳撃…少ししか見れませんでしたが、あれはSARUと同じ流派だと思います」

「魔人はSARUの弟子か?…何にせよ、人気取りの為に魔物を狩る、頭のおかしい英雄どもは警戒するに限る」

「そうですね」


ビクトーは苦笑する。

魔王軍を名乗る割に、自分たちの立ち回り方は、弱者のそれだ。

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