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魔軍の会議
アランは気付いていた。
フォンテスの雰囲気の変化に。
ビクトーと二人で何処とも告げずに出立した日までは、粗野な言動が目立ち、マシアスと似たタイプの人物だった。
短絡的で、場当たり的で、吸血衝動や破壊衝動に身を任せ、思うがまま好き勝手に行動する姿は、上に立つ者としての資質には欠ける様にも思えたが、しかし、仲間だとも強く思った。
そして、自分の能力に何の疑問も持たず、覚醒直後から人間でなくなったことを受け入れるフォンテスの豪胆さが、アランは見ていて好きだった。
しかし、今のフォンテスは、厳かで、何やら風格を感じさせる。
「控えよ」
それは、フォンテスの声とは思えぬほど、暗く静かな声だった。
即座に四人は、地に膝をつき、頭を垂れた。
「俺はお前らと同じ吸血鬼だ。だから言いたいことはわかる。その上で、頼む。魔王復活まで、ビクトーに従ってくれ。仮初めの王、フォンテスからの願いだ」
「我が王、フォンテス様の仰せのままに」
「仰せのままに」
「仰せのままに」
「…仰せのままに」
「では、勅命と思って聞け。ビクトー、計画を話せ」




