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魔軍の会議
「何故、勝手な真似をしたのですか?」
ビクトーの言葉に、誰もが硬い表情を浮かべる。
しかしそこに恭順の意はなく、目に反抗的な色が宿っている。
窓際の執務机付きの豪奢な椅子には、フォンテスが座っている。
その傍らに立つは、ビクトー。
そして正面にはソファーとマホガニーのテーブル。
ソファーに座り、机に足を乗せているマシアス、床に座るイゴール、立っているシャノン、アラン。
マシアスたちの目に、怒り混じりの色がある。
それは、ビクトーへの苛立ちの色でもある。
マシアスは思う。
俺たちは吸血鬼。
血の滾るまま戦い、血を吸うのだ、と。
イゴールは思う。
いつも戦わず指示を出すだけの男が、何を言うのか、と。
シャノンは思う。
誇りの為の再戦は、咎めるべきものではない、と。
そしてアランは。
「ビクトー、貴様は吸血鬼をわかっていないのだ」
皆の顔が跳ね上がる。
誰もが思っているであろうこと。
しかし、誰も言えないこと。
それを言及するに至ったのは、マシアスでもなければ、イゴールでも、シャノンでもなかった。
アランは、言葉を続ける。
「フォンテス様は、どうお考えなのでしょうか」
全員の目が、フォンテスを見る。




