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忍との邂逅
あずみは顔を紅潮させ、無意識のうちに震えていた。
そして、まさに感情が漏れ出たというかんじで、呟いた。
「に、忍者マフラー…!」
ロイドの口元を覆う布は長い。
それは、単なるマフラーなどではない。
ロイドは、それに興味を持っているあずみに気付き、言葉をかける。
「これは本来、この様に巻いて、覆面にするのだ」
ロイドは布を器用に顔に巻き、忍者頭巾にしてしまった。
あずみは、フラフラとロイドに近付き、目を輝かせて見ている。
「忍に興味が?」
「御意にござる」
「ならば俺、ロイドの弟子となるか?」
「師匠、よろしくお願いしますでござる」
目が合ったロイドとタシリモは、二人とも苦笑いだ。
ブレブロ冒険者ギルドのギルド長タシリモとしては、今回、あずみは何としても戦力にしたかったし、扱いやすくする為に、相応の条件や保障を用意していたのだ。
「わーい!巻いてもらったでござるー!」
あずみは、ロイドの予備の忍者頭巾を頭に巻いてもらい、上機嫌だ。
こうも簡単に上手く行くと、タシリモは、色々と勧誘材料を用意していたことにも、こんなアホに頼ろうとしていることにも、何やら情けなくなるのである。




