表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
344/2233

影は再び陽光の下へ

泣いて泣いて泣き続けて、泣き疲れたあずみは、夢を見ていた。

夢の中であずみは、仲間たちと旅をしていて、そこには、アリスもルリもいて、穏やかな陽射しの中、どこまでも笑顔で、みんなで笑顔で歩く夢だった。


泥の玉であるはずの泥島も、行方知れずの高木も、不定形のスライムであるルリも、どんな姿に転生したのか知らない穴倉も人型。


誰なのかわからない容姿でも、誰が誰なのかわかったあずみは、この心地よさがいつまでも続けばいいと思った。


夢の中だからなのか、あずみは全てを受け入れていて、みんなで笑い合って歩くのが、自然なものだと認識していた。


それは、あずみが望む世界と重なる、幸せな夢だった。




…まどろみから覚めたあずみが目を開けると、そこは自宅の畳の上だった。

体を起こすと、そこにはゴードンの妻、エルザも伏せっている。

エルザには、感謝しかない。

だからこそ、立ち直らねばならない。


今日はタシリモと会うことになっている。

本当は、会いたくはない。

ランクを下げられなければ、別行動で仕事(クエスト)をこなすことなどなかったと、あずみは思っている。

間接的に、アリスの死の責任が、タシリモにはある、と、あずみは思っている。

だから、会いたくはない。


だが、吸血鬼どもが、ブレブロに再来したのを感じた。

自分を刺した短剣使いも来ているのを感じた。

あの日、奴はアリスに倒された。

自分は、手も足も出なかった。


でも、アリスはもういない。


だから、自分で倒そう。

奴らの禍々しい気を、この手で無に帰そう。

それを当面の目標として、自分を奮い立たせよう。

アリスに依存していた自分から、一歩踏み出そう。

自分の足で、自分の道を踏み締めよう。


「あずみちゃん…?今日、どうする…?ギルド…行かなくてもいいのよ…」

「…お母さん、拙者、ごはんを食べるでござる。そして、ギルドに行って来るでござるよ。やらなきゃいけないこと、私ならやれることが、多分あるでござる。だから呼ばれた」


あずみは外へ飛び出す。


「強くなりたいでござる!心も!体も!」


細路地を抜けると、タシリモが立っている。


「ならば、会わせたい人がいる。ついて来るか?」

「行くでござる!それはそれとして、お主のせいで、アリスが死んだでござる!デュクシ!」


タシリモを殴り飛ばしたあずみは吹っ切れた顔になった。

太陽が眩しい。


「連れてけでござる!どこへでも!」


殴られたタシリモは困惑したものの、しかし、目的を遂行する為、あずみを連れて、ギルドへと歩を進めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ