スライムクイーンの死
「…安心しろ。俺は元に戻る為の魔法を探す旅に出るから、見つけたら全員生身に戻してやるわ。約束するわ」
アリスの言葉に、ルリは安堵した。
最終的には面倒見がいいのよね、と小さく呟いた。
「…泥島、ごめん。穴倉を殺したの、本当にごめん」
「…お前がやらなきゃ、俺がやってたと思う。だから、謝るな」
泥島の表情は穏やかだ。
穴倉に対しての諦めと、ルリに対しての友情が混じった複雑な表情だ。
「お前、思いとどまれよ。大丈夫だよ。アリスは、ほんとはそこまで怒ってないよ。俺も大丈夫だから。お前がカッとなるタチなの知ってるし。今プツッと何かの糸が切れて自暴自棄になってるのもわかってる」
「…優しいのね」
「…俺はいつだって優しいですよ」
「…そうね。そうだったわね。あんたはやっぱり、その敬語が似合ってるわ。ちょっと卑屈なところもあるけど、私は嫌いじゃなかったわよ」
ルリは本気で死ぬ気だ。
それを改めてかんじ取った泥島は、アリスの顔を見る。
「…アリスの女のお前に言われても、あんまり嬉しくないですよ」
ピクッと反応するアリス。
「…そう?高木ならよかった?」
「…うるさいよ。…俺はアリスに付いて回って、高木を探そうと思ってる。こいつの魂感知で」
「出たわ初耳のやつ~。あと池中、俺には謝らんのかぁーい☆」
泥島は、態度が柔らかくなったアリスを見て、口の片端を持ち上げながら池中に目配せする。
「よかったわ、切り出してくれて。最後に言うしかないと思ってたわ。アリス、ごめん。あの時は本当に。」
「おぉ、謝られたらチャラだわ。もう忘れた忘れた」
「…あんたは器が大きいんだか小さいんだか。ふふ。…あぁ泥島、私、高木に会ったわよ。あの子、鳥に転生してた」
「本当か!?」
「空で会ったわ。見つけてあげて」
自分はここで終わるが、仲間たちは極力仲良くやれたらいいな、とルリは思う。
ゴブリンやミサたちとも、だ。
ゴブリンたちは、甦った最初は泥島に戸惑うかもしれないが、アリスもいるし、きっとやって行ける。
中でもラーラは転生者だ。
きっとアリスたちと助け合えるだろう。
「アリス、最後に抱きしめて」
「お、おぅ」
「本当に好きだったのよ、本当は。もっと素直になればよかった。私可愛くなかったわよね、ごめんね」
「そんなことないわ。お前は可愛いわ」
「…ありがと。さぁ、やってちょうだい。さようならよ」
アリスが拳に黒炎を纏わせる。
拳がルリに打ち込まれ、ルリは黒炎に包まれて蒸発し、絶命した。




