混ざる虹色
池中瑠璃は、勝機を探して、飛翔しながら思案していた。
アリスが生きていた。
殺した手前、気まずいかとも思ったが、どうやらアリスの緊張感のなさを見るに、仲直りはそう難しくなさそうだ。
むしろ、落としどころを作れば、積極的に意向に沿ってくれさえするだろう。
そうなれば、ラーラたちを甦らせることは容易だ。
それ自体は嬉しいことだし、そうしたいとも思う。
だがその場合、アリスは何の考えもなく、穴倉も甦らせると思われる。
ルリは、穴倉を許せなかった。
何が許せないのかは、ルリ本人にもよくわからない。
だが、ひどくぼんやりとした、許せない、という心に、思考が同意しているのだ。
しかし、そんなことは、今は重要ではない。
ルリがやるべきことは、決まっているのだ。
「泥島を殺して、邪魔者が入らない状態で、アリスを説得する。」
穴倉は無差別に生物を殺す肉食獣だ、甦らせるな、と。
これを、泥島には聞かせられない。
だから、一時的に死んでもらわねばならない。
不確定要素は、アリスと一緒にいる、何やら不健康そうな人間か。
ガリガリに痩せ細ってはいるが、雰囲気でわかる。
「強いわね。でも、今回は負けたくないのよね」
何故?
『強く美しい、我らのクイーン』
『美しい、我らのクイーン』
『我らのクイーン』
ルリの内側から、スライムたちの声が聞こえてくる。
『『『スライムの敵は』』』
答える様に、しかし、ルリは虚ろにひとりごちる。
「…スライムが始末する」
それは、何かに操られている様であった。
しかし口調は強く、ルリの意思も確かに感じられた。




