ルリの衝動
ルリは思う。
今日一日で、友だちだった男連中全員と戦いそうになるとは、何て大変な一日だろうか、と。
…熊谷?
奴は友だちではない。
だからノーカウントだ。
穴倉を倒したが、ミサとボルゾは殺されてしまった。村は半壊。生き残ったゴブリンは二十に満たない。そこに泥島が来て、さらにアリスまで控えている。
殺したはずのアリスが生きているのは嬉しい。
だが、アリスもレブナントという種族になっている。
これはどういうことだろうか。
「アリス!レブナントって一体何!?あんたたちに何があったの!?」
「ゾンビだわ。お前に殺されてこうなったわ」
「なっ、ゾン…!泥島は何で!?」
「俺が道連れにしてやったわ。」
「「お前のせいだ池中。」」
…何ということだ。
私はカッとすると、後先考えずに行動してしまう悪癖がある。
アリスを殺したのは、同族を皆殺しにされたからだった。
別に絆があるわけでもない。
私はスライムになってから日も浅い。
なのに、アリスが私の同族を殺したことが、どうしようもなく頭に来たのだ。
アリスが私の同族を殺したことで、どうしようもなく心を傷つけられたのだ。
あの時、一時的に私は、自分がスライムだという意識ばかりで行動した。
今は、スライムに転生させられたものの、私は元人間なのだ、という意識しかない。
こうなってみると、あの時の私は、自分であって自分でなかったかの様な気にもなる。
しかし、殺ったのは紛れもなく私なのだ。




