悪友のノリ
今までは、いつでも裏切ってやる、なんて思ってたよ。
ごめんなアリス。
でも、そんな気持ちはもう捨てたよ、俺たちずっと友だちだ。
泥島は感激から、そう気持ちを新たにした。
そして再び笑顔になる。
甦りの寝起きに、陽光が心地よい。
アリスと目が合う。
逆光で顔はよく見えないが、アリスも笑顔になった様だ。
口元が笑っているのはわかる。
「泥島、先に謝っとくわ。ごめんまじでドンマイ。お前強く生きろよな。あ、死んでたわ。」
「何何?え?」
太陽が雲に隠れた。
束の間、落ち着いた光量となり、アリスの顔が見える。
アリスはニヤニヤしながら、小さなコンパクトを取り出した。
そしてそれを開き、鏡の部分を泥島に向ける。
「なぁ泥島、お前、これどう思う?」
鏡に映るのは、泥島。
サイズは、ソフトボールほど。
死ぬ前の巨大化した泥の体ではなくなっている。
だが、元に戻ったわけではない。
体躯の小さいゴブリンのミサに握られた時より、少し大きい。
見ると、顔には縫い目がついている。
「え?俺ゾンビ?え?」
「道連れにしてやったわ」
「え?どゆこと?え?」
「俺は今、ゾンビから生身に戻る魔法を探す旅に出るつもりなんだわ。でもひとりじゃ癪だから、お前にも俺と同じ苦労を背負わせてやったわ。
一緒に頑張ろうぜ。俺みたいな美少女と旅出来ることに感謝してむせび泣くがいいわ、ゴミが」
…ゴミはお前だコノヤロー!
そうだった!
こいつこういう奴だった!
泥島は思った。
そして、翻意する。
やっぱこんな奴、友だちなんかじゃない!
と───。




