悪友のノリ
泥島は、温かいまどろみの中から、朝の冷気に引き上げられる様な感覚をかんじていた。
何度もかんじたことがあるこの感覚。
魂を呼び覚まされる感覚。
ああそうだ、俺は殺されたんだった。
泥島は、自分に何が起こったのか、思い出した。
アリスが泥島をボールに見立てて蹴る時、ボールは友だち、とのたまったことは、建前としては球体の自分を蹴る際の、座りのいいギャグだろう。
だがそれはあくまで建前のはずだ。
本音は、友だちという文言が本質であり、例え殺すという行為があっても、生き返ったという結果さえあればいい、変わらず友だちと思っている、という意思表示の提示なのだろう。
池中を許しているけれど、それを言うのは気恥ずかしい。
だから、こうしてしばしば、照れ隠しに、黙して語る手段に出ることがアリスはままある。
服部も池中も高木も、そして自分も、アリスのこういうところを知っている。
アリスはそういう奴だ、優しいところがあるんだよな、と泥島は思い、微笑んだ。
「うわキッショ…!笑ったでこいつ、キッショ…」
…台無しだ。
目を開けると、アリスが汚いものを見る様な目で、自分を見下ろしている。
「お前何もんだよ泥島キッショ…!粉々になったお前を蘇生したら、俺が前に餞別として埋め込んでやった聖金貨を核にして泥が集まって生き返ったぞお前…!何、お前の本体って金なの?お前金の亡者なの?金への執着心エグいわ…!こいつまじひくわ…」
「え、何お前、俺に聖金貨くれたの?」
「あ…」
「へそくりにしろって言って、そんなのくれてたのか。お前さては、俺のことも結構大事な友だちだと思ってるな?」
「ひ、否定はしないわ/////」
泥島は小さく呟く。
ほらな、結構優しいところあるんだよ、と。




