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悪友のノリ
どや顔のアリスは得意気に手を広げ、歩きながら、すらすらと口上を述べてゆく。
「…しなやかに伸びた手足は白く、ピンク色を基調としたエプロンドレスに映える!輝く金髪!意志の強そうなつり上がった眉は凛々しく、赤い双眸はまるで宝石の様に煌めいている!以前との違いといえば、顔に走る傷痕、そして縫い目!しかし、少女の美貌はさらに洗練されていて、些かもその魅力を損なうことがない!」
「俺の質問無視で、何言い出しちゃったのこの子~」
泥島は呆れ顔だ。
しかし、その表情は嬉しそうでもある。
やはり、例え悪友でも、生きていた方が嬉しいのだ。
「何でそんなゾンビなんかになってんだよお前。っていうか、何で池中に殺されたんだよ?」
「え?池中に殺されたの知ってんのお前?ひくわー。まぁ、知られてるんなら、詳しいことを教えてやるわ。話せば長くなるし辛い話だけど、教えてやるわ」
まずい、と泥島は思った。
めんどくさそう。
聞いたら巻き込まれそう。
深入りしたくない。
というか、この問題の外にいたい。
だから、言わなくていい、とアリスに言うべきだ。
「あ、あのさアリス…」




