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ラーラの焦燥

穴倉は、毒も麻痺も、ごく短時間で無効化してしまう。

残る仕込みである噴射した麻痺水も、意味が一つなくなったと言っていい。

予定では、穴倉を麻痺水で飲み込み、窒息死させるつもりだった。

だが、自分の体から離れた捨て水を自由に操る能力など、ルリにはない。


「ただ水を撒き散らしたんじゃないのは、わかってるんだ」

「…そう」

「この周囲に撒き散らした水の中には、お前の体と繋がったままの、お前の体が紛れてる。俺を麻痺で鈍らせて捕まえて、水圧で潰す気だったはずだ。メを雑魚二匹に任せて二手に分かれた意味は、理解出来ないけど。」


そう、放出した麻痺水に見せかけた、ルリの変形した体が紛れ込んでいるのだ。

網の様に地面に這わせた体を、水に潜ませて、見た目にはわからない様にしていたのだが、これを見破られるとは。


ラーラも眉間に皺を寄せている。

ミサとボルゾは、単なる捨て石だった。

魔人アリスの蘇生魔法をあてにした、単なる捨て石。

とにかく分断して、穴倉を確実に殺すべきだと考えた。

しかし、雲行きが怪しい。

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