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透明 vs 虹色
「その声、メか!?」
「おお、そちらはルリ!」
近付こうとしたメの足元に、牽制の水弾が放たれた。
「止まれ。メ、お前は信用出来ない」
後ろ手に縛られ、舌が引っこ抜かれているはずのメが、拘束もされず、舌もちゃんとある状態で姿を現したのだ。
実際は、戦闘参加を見越しての処置ではあるのだが、状況を把握していないルリは、メに欺かれたとかんじた。
メは、何故自分が信用されないのか理解出来ていない。
「なるほど、自己再生」
穴倉が呟いた。
体に開いた穴はもう塞がっていて、警戒したルリは素早く距離を取る。
穴倉がまた、呟く。
「なるほど、蜘蛛の要領」
先刻からルリは、楕円のスライムボディから蜘蛛の様な足を伸ばし、それを高速で動かすことで、機動性を向上させていた。
「こんな感じか」
穴倉も、頭から出た触手を、蜘蛛の足の様に地面に突き立てている。
そして、ルリのそれより速く動かしてみせる。
「水弾!」
「遅い」
ルリは水弾を容易くかわされ、逆に穴倉に切り刻まれる。
さらに、触腕で刺された。
「スライムって結構かたいんだな。弾力があって、思ってたのと違った。でもこれで終わりだ」
穴倉は、毒を注入した。




