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ゲブ族
「ラーラ、何だあの化け物は!?」
「わかラン!あンナ化け物は見たことナイ!」
「子供を狙うのか!?」
「わからんと言ってイル!」
「…幸いにも足は遅そうだ、早くゲブの村に戻って迎撃の準備を!」
「いや森を出るべキダ!」
あの化け物には、ゴブリンがいくら束になってもかなわない予感がラーラにはある。
「このラーラは、何度も外の世界を旅してキタ…!だからわカル…!あれは災厄の様な存在ダ…!我らではどうにも出来ン…!ガインならば倒せただろうガナ…!」
ミサは考える。ゲブ族最強の戦士にして族長でもあるガインは、別格の強さを持つ。
だが、ガインは今、村にはいない。
美少女の姿をした魔王アリスにうつつを抜かしたガインは、呼ばれたから行って来る、などと言葉を残して、村をあとにした。
確かにアリスは美しい。
ミサもその美貌には素直に感嘆した。
しかし、族長という立場にありながら自由に動き過ぎるガインに対して、非難めいた気持ちが湧き上がる。
それはアリスへの嫉妬混じりの気持ちでもある。
ミサがこの気持ちをガインへぶつけることは、決してないであろうが。




